妖しいグループ勧誘

そこの君


はてな詩人に入らないかい


君の横顔 詩人じゃないかい


君の前髪 詩人じゃないかい


君の生き様 詩人じゃないかい

 


お急ぎの君


はてな詩人に入らないかい


公式よりもずっと気楽だぜ


君の口癖 詩的じゃないかい


詩的だったら詩人じゃないかい

 


どこか遠くを見ている君


はてな詩人に入らないかい


入ったところで何もないぜ


だからと言って損でもないぜ


ためらう理由があるのかい?

 

お前しかいない

部屋の鍵がなくなった


おかしい
そんなはずはない


ポケットに入れたのではなかったか
だがポケットには入ってない


さっきまでここにあったのではないか
だがテーブルの上にはない


そんなはずはない
確かにあったのだ!


絶対にあるはずのものがない時
人は大変焦るのではないだろうか


ないないないないないない!


僕は自分が信じられなくなった
(さっきもなかったのかもしれない)


来た道を戻って
どこかに落ちてないか確かめた
やっぱりどこにもない


こんなのは嫌だ!


自転車を盗まれたのはまだいい
泥棒が悪いのだから
だが部屋の鍵をなくすのは自分が悪い
自分の責任で誰かに助けを求めたり
金を負担したりするのは嫌だった


もう一度現場に戻ってみる
ポケットの中を全部出してみた
鞄の中を探ってみた


ないないないないないない!


こんなところにあるはずもないのに
ゴミ箱の中を探ってみた
シャツを振ってみた
巾着袋の中を探ってみた


あったぞ!


こんなところにあるはずもない
巾着袋の底から
ついに部屋の鍵がみつかった!


誰がこんなところに?


犯人は 自分しかいない